はじめに
演劇やミュージカルなどの公演を見た後は、感動や想いを誰かに伝えたいですよね。
SNSで「よかった、感動したー」とか「ここが少し気になった。あのセリフってどういうこと?」などなど…。
その想い、公演した側も欲しています!
公演の魅力は届いたのか、楽しんでもらえたのか。
どこが良かったのか、どこが気になったのか、見ていただいた方の感想を知ることで、次の公演への課題が見つかったり、応援の声にモチベーションを上げたりできます。
今日はそんな感想を知るための「アンケート」について、考え方や作り方をまとめたいと思います!
アンケートについて4つの記事に分けて記載しています。
本ページではアンケートの「メリット・デメリット」について考えてみたいと思います。
そもそもアンケートする?しない?
ソルシエールのアンケート事情について
ソルシエールでは、公演毎にアンケートを実施しています。
ただ、過去二回の公演で実施無しとしたことがありました。
その実施の有無から感じたアンケートのメリット・デメリットや所感について書きたいと思います。
アンケートを実施するメリット・デメリット
メリットとして下記4つを感じています。
- いただいたご意見やご要望から改善点を見つけることができる
- 良かった点や多く言及される部分からモチベーションを得たり特長を再確認したりできる
- お客さんとの関係性や、見に来てくれる人の特色を再確認できる
- 自分たちの成長を感じる、良い思い出になる
アンケートを取るといいことがたくさんありそうですね!
逆にデメリットをあげると…
- 回収率の割に設計や集計の手間がかかり、コスパが悪い
- 現状との乖離と実現の難しさから反映できない課題があがる
- 偏った意見が集まりやすい
大変なこともあるようです。
一つずつ細かく見ていきます。
アンケートを取るメリットについて
メリット①:ご意見やご要望から改善点を見つけることができる
アンケートの最も知りたいことの一つとして、見ていてどのようなことが気になったかがあります。
演技や演出についてももちろんですが、「袖幕の揺れが気になった」「会場の場所がわかりにくかった」など舞台の外側にある要因のために集中できないことも多いです。
こういった部分は自分たちでは中々気付きにくいと思います。
公演を行う上での「引っかかり」を知り改善することで、より多くの人にしっかり見ていただける舞台を作っていくことが出来ます。
メリット②:良かった点や多く言及される部分からモチベーションを得たり特長を再確認したりできる
「あのシーンで笑いました」「ダンスの迫力に圧倒されました」などのご意見はとても嬉しく続けていく励みになります。一つの舞台をつくるのには時間も労力もかかります。次の公演も最後まで走り抜けるための「モチベーション」をアンケートからたくさんいただくことができます。
また「衣装がキャラクターに合っていてよかった」「ハーモニーが素晴らしかった」など多くの人がアンケートに書いてくれる内容があれば、それはひときわ観客の興味を引く魅力的なものだったと言えます。これは劇団としての特長や強みの再確認になります。
メリット③:お客さんとの関係性や、見に来てくれる人の特色を再確認できる
小中劇団の公演のお客さんは良くも悪くもある程度偏っていることがあります。
関係のある他劇団であったりメンバーの知り合いだったりと、既に自分の劇団を知っている人が見に来てくれるパターンが多いです。そういったお客さんから アンケートを通じてどういったところを気に入ってくれているのか、どういった観客層に届きやすいのかが見えてきます。その意見を反映させることで、より深くささるような結びつきの強い公演を行うことができます。もしかしらた劇団やメンバーのファンになってくれるかもしれません。
メリット④:自分たちの成長を感じる、良い思い出になる
過去公演のアンケートを見ると、「こんなこといわれていたなー」とか「今ならこうやって対処できる」といった自分たちの成長を感じることが出来ます。またちょっとしたお客さんの感想から当時の苦労や達成感を思い出すことができます。
以上のように、アンケートを実施すると良いことがたくさんありそうです!
とはいえ、気になる点も出てきたり…続いてデメリットについても細かく見ていきます。
デメリットについて
デメリット①:設計や集計の手間の割に回収率があがらず、コスパが悪い
アンケートは回答が少し億劫だったりしますよね…そのため、なかなか回収率があがらないことが多いです。
回答しやすく、かつ今後に活かせるようなアンケートを検討しようと思うと設計やその後の集計にも手間がかかります。
会場の使用時間の関係から、ゆっくりアンケートに回答する時間が確保できない場合も多いです。
頑張って準備した割に、あまり活用できないというコスパの悪さが目立ちます。
少ないリソースで公演を行う小中劇団では、実施の検討が必要かもしれません。
デメリット②:現状との乖離と実現の難しさから反映できない課題があがる
人数や会場、機材の制限から実現が難しい意見などがでてくることもあります。
確かに回答いただいたとおり改善したい、でも各種事情があって難しい…
そういった意見を反映できないまま次の公演へと進まなければいけない場面もでてきます。
出来ないことをフラストレーションにするのではなく、制限の中でいかに最大値を目指せるかが大切になってくるかもしれません。
デメリット③:偏った意見が集まりやすい
メリットにもありましたが小中劇団ではお客さんが偏る傾向があるようです。
小中劇団の舞台に正通していたり、舞台裏のことにとっても詳しかったり。
そういった、ある種一般的ではないお客さんの、偏った意見や特定の視点からの回答が集まる可能性があります。回収率の低さも相まって全体的な観点や多様性に欠けるかもしれません。
アンケートの回答が全てだと思わず取捨選択する目が必要になってくるのかなと思います。
アンケート実施の有無を決める
ここまで過去公演のアンケートで感じたメリットデメリットを振り返ってみました。
ソルシエールにて「過去二回の公演で実施無しとしたことがある」と書きましたが、これは「デメリット①:コスパの悪さ」が主な要因でした。
今ではソルシエールもメンバーが増え、各作業を分担して進める体制が整ってきています。
最近の公演ではアンケートにも注力して、より良い舞台を目指しています。
メリットデメリットをメンバーで話し合い、アンケートの実施を決めていけると良いと思います。
大きい公演でアンケートが少ない理由を予想
小中劇団の公演ではよく見かけるアンケートですが、大きな団体や公演では少ない印象です。
アンケート実施の参考として、取らない理由について予想してみたいと思います。
①規模とリソースの差:
大きい劇団は、小中劇団よりも多くの公演を行い、多くの観客を動員しています。そのため、公演の運営や舞台制作に集中する必要があり、アンケートの作成や集計などにかける時間やリソースを取っていないのかもしれません。
②観客層の違い:
大きな劇団の公演は一般的に広い層の観客を対象としています。観客の好みや意見の多様性が広がります。そのためアンケートではなく、マーケット調査や専門家の意見を活用することが多いのかもしれません。
公演が大きくなっていけばそれだけコストが大きくなっていくことが予想されます。
アンケートではなくもっと大きい視点でより良い舞台を多くの人に届ける意識なのかもしれませんね。
いったんまとめ
ここまで、アンケートを取ることについて、そのメリット・デメリットについて考えてみました。
コスパの話などもありますが、まだまだ観客の声をキャッチしてより良い舞台を目指していけたらよいと改めて感じました。
少し長くなってしまったので、一旦切り上げます。
次回はアンケートの実施方法について考えてみたいと思います!
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